前回の記事では、雑誌のスキャンをするためのスマホアプリとして、その筋には有名な CamScanner を取り上げました。本や雑誌のスキャンにおいて、ページの自動分割機能があるのは、1ページずつ取り込みたい場合には嬉しいですよね。無料で使うことはできますが、5回スキャンごとに広告をみるとかの操作が必要になることが少し使いづらいです。
でも、このページ分割機能にこだわらなければ、本や雑誌の取り込みに適したスマホアプリはありそうです。
Adobe Scan のページ抽出や自動撮影は本や雑誌の取り込みには便利
スマホのドキュメントスキャンアプリは本当に多いです。どれがいいのかを探すのもなかなか大変ですが、本や雑誌のスキャンにおいては、Adobe が出している Adobe Scan が個人的にいい感じです。
Adobe Scan の他には、Microsoft Office Scan も試してみましたが、以下の点が私にはグッドでした。
- ページの自動抽出をして、そのまま自動で撮影してくれる機能がある。
- 撮影後にページ抽出を手動で変更できる。
- 撮影後に画質を変更できる。
- 25ページまでだったらOCRも使える 。
ページの自動抽出は精度が高い
本や雑誌の見開きのページ矩形の自動抽出において、Office Lens は時々、片方のページしか抽出してくれないことがありましたが、Adobe Scan は、ほぼ正確に見開き状態でページを抽出してくれました。ページの四隅の角を識別することで矩形抽出をしているようなので、2ページ見開きにしても片方のページだけ抽出することはなさそうです。
Office Lens の場合は、毎回というわけではないですが、時々、ページ抽出を意図通りにしてくれないときがありました。
ページ抽出をしてそのまま自動撮影してくれるのは地味に使い勝手がよい
ページ数がある厚めの雑誌をスキャンした場合、見開き状態にしてもページがちゃんと開かずにページが山なりになったり、そもそもページを開いた状態で固定できなかったりします。その場合、手でページをおさえた方が確実です。ページの山なりもなくなり、歪みも少なくなりますしね。
が、自分で撮影ボタンを押す必要がある場合、この手が使えません。その場合、Adobe Scan のページを自動抽出してそのまま撮影してくれるというのが地味に嬉しいです。両手を使ってページを開いておいて、あとはアプリがページ矩形の抽出と撮影を自動でやってくれるのを待つだけでいいので。
撮影後の編集が便利
撮影後でも、抽出した矩形を変更したり、ページの入れ替えや特定のページの削除、追加撮影ができたりします。
個人的には、画質の変更が後からできるのが嬉しいです。
ホワイトボードモードだと、いわゆる2値画像、つまり白か黒かになります。画像サイズの削減には絶大な効果を発揮します。でも、雑誌の場合は文字以外にも、表や図、写真もあって、階調があるモノがほとんどでしょうから、グレースケールで作成するのがおすすめです。ホワイトバランスの調整もしてくれ、ページ背景色をホワイトとして、ダイナミックレンジを自動調整してくれるので、コピー機でコピーを取ったような画質を得ることができます。
PDFファイルとして、Adobe のクラウドサーバーに保存される
PDFファイルとしての書き出し先は、Adobe のクラウドサーバーです。そのため、アプリ初回起動時には Adobe ID か、Googleアカウント連携等を使って、アカウントを登録する必要があります。
登録が完了すると、Adobe Document Cloud というクラウドサーバーが使えるようになり、5GBの容量が無料で使用可能になります。Adobe Scan でスキャンしたファイルはPDFファイルとして、このクラウドサーバーに保存されることになります。
雑誌の記事を取り込みたい場合、複数のページを取り込みたいのですが、これをいかに手数を少なくしてできるようにするかがポイントだと思います。Adobe Scan には ページの自動抽出だけでなく自動撮影があって、CamScanner よりも使い勝手が良いと思いました。
次回、Adobe Scan を使って、テック系の雑誌記事を実際に取り込んでみたいと思います。
つづく。