TOEIC500点前後で、中学校の英語はまあまあわかっているレベルであれば、まず取り組むのは、英語に慣れることだと思います。私もこれをやってから、以降の他の教材を使った勉強も身が入ってできるようになったという経験があります。
よく英語の参考書で、この本はこうやって使いましょうという説明が冒頭でありますが、あまり読んだことがありません。たいていは、その本のページ構成を説明して、勉強方法が数ページ程度で書かれているものが多いと思います。
が、「英会話・ぜったい・音読」の冒頭の解説文に関しては、ちゃんと読み込むことができました。
英語を身に着けるには音読が重要
「英会話・ぜったい・音読」では、まず「なぜ日本人は英語が上達しないのか」からはじまり、音読の重要性を説き、さらにこの本を使っての学習方法が、約40ページにわたって書かれています。この本の総ページ数が140ページほどですので、実に3割近くのページを説明に割いています。
この本に書かれていた音読の重要性を要約すると以下になります。
- これまでの日本の英語教育は英文読解や文法に重点を置きすぎている。
- つまり「目で見て理解する」教育だった
- 目で見た言語を、自分の口から音を発生して、それを自分の耳で聞いて、正否を理解するという脳内の刺激プロセスを経ないと、ヒトは言語能力を蓄積できない
- 英語のような第二外国語はそのような循環を意図的に作り出さないといけない
- 記憶を長くヒトにとどまらせるには、話す、書くといった身体で覚えること=運動記憶にすることが重要
- なので音読が重要だよ。
学習方法は地道。まさに急がば回れ。
この本は、中学3年生の英語の教科書の英文素材を12編(標準編の場合)掲載されており、それを繰り返し音読する、筆写するを何ターンも繰り返しましょうというものです。
本に書いてある学習方法は下記のとおりです。こういう地道な勉強をさせる英語本は今でもなかなかみかけませんよね。
本に書いてある1コマの勉強方法です。1個の素材に対し下記のことをします。
- CDを聴き内容を推測する(2回)
- 意味を理解する
- 音読する(3回)
- 音読しながら筆写する(3回)
- もう一度CDを聴き内容を推測していみる(1回)
慣れれば、30分強で1コマこなせるかなという分量です。これを3か月は繰り返しましょうと本では書いてあります。
最大の効果は英語に億劫でなくなること
これだけやれば、ネイティブの人が話す英語がいきなり聞き取れるわけでも、自分がペラペラと会話ができるようになるわけではないとは思います。
が、相手はいないけど自分の口で話すことはしているので「英語を声に出す」こと自体は億劫ではなくなります。そして「英文を作ること」に自信が持てるようにもなると思います。最初は中学レベルの簡単な英語でも全然いいのです。あとは、勉強してレベルアップしていけばいいだけですので。
この先の上達のためには、アウトプットをすることが絶対に必要になりますので、それをするための足固めができることが何よりも重要であり、そのための教材として役に立ちました。
つづく。